過酷な雨風から「傘を守る」ほんの少しの思いやり

帽子やバッグと同じ「縫製雑貨」に分類される傘ですが、その内部は中棒、ハジキ、受骨、親骨、ロクロといった数多くの可動部品がミリ単位の精度で連動する、非常に緻密な「工業製品」です。

パーツ単体のわずかなズレが開閉不具合に直結するため、服飾雑貨の中でも不具合やトラブルが発生しやすい繊細な構造を持っています。

「普通に使っていただけ」に潜む力学の罠

「何もしていないのに骨が曲がった」というお声をいただくことがあります。傘は上からの雨や正面からの風を受け止める構造的な強さは持っていますが、下から巻き上げる突風や、手首をひねる動作による「ねじれ」の力には構造上どうしても弱くなります。

現在の業界の検査規定には「風によるねじれ」を想定したテスト基準が存在しないため、お客様ご自身は普通に使われているつもりでも、自然環境下で無意識のうちに骨の限界を超えるねじれ負荷がかかってしまうケースが少なくありません。

風に強いカーボンファイバーは点衝撃や過度な曲げに弱く、しなやかなグラスファイバーは破損時に断面の繊維に注意が必要など、素材ごとの特性も存在します。

風上に向けるという、ほんの少しの所作

過酷な雨や100%遮光が求められる強烈な日差しから傘を守るコツは、決して難しくありません。最も有効なのは「風が強いときは、傘の先端を風上に向けて持つ」ことです。

風が吹いてくる方向に真っ直ぐ傾けるだけで風を綺麗に受け流し、骨にかかる不自然なねじれ負荷を大幅に軽減できます。開閉時にボタンを押し込んでゆっくり動かすだけでも、道具の寿命は驚くほど延びます。

つくり手が1年保証を続ける理由

傘は自然の猛威と向き合う、デリケートな道具です。だからこそアンベルでは、製造上の初期不良に対する返品・交換はもちろん、すべての製品に1年保証を設け、保証期間が過ぎた後も修理対応を行っています。

万が一のトラブルの際も、安心してお手元に置いていただきたい。傘という繊細な構造体の特性を少しだけご理解いただき、丁寧に扱っていただくことが、お気に入りの一本と長く心地よく付き合っていく一番の近道です。

▶ アンベルの1年保証制度と修理対応


アンベル株式会社 CEO

執筆者:辻野義宏

30年以上に渡って傘の開発および研究を続けている。革新的な機能を追求し続ける日本の傘ブランド「AMVEL (アンベル) 」では、時代によって変化するベストを追求し、最先端の技術を駆使した傘をお届けしています。