変わらない仕様が、確かな品質を育てる理由

アンベルが手がける雨傘や日傘、晴雨兼用傘には、一つの明確な設計思想があります。それは「トレンドを追った年式モデル(イヤーモデル)を作らない」ということです。

傘の骨組み(フレーム)や生地の織り方、縫製仕様を毎年のように新しくすることは、一見すると新鮮に映るかもしれません。しかし、新しい仕様には予期せぬトラブルや初期不良のリスクが潜んでいます。私たちは、一度完成させた優れた仕様を何年も、何十万本と継続して生産し続けることを大切にしています。

同じ工場で、同じ仕様を作り続ける意味

私たちの生産拠点は海外にあり、現地工場の熟練した工員が生産を担っています。同じ工員が、同じ仕様の傘を繰り返し作り続けるからこそ、手の感覚が研ぎ澄まされ、製品の品質が極限まで安定するのです。

私たちのラインナップの中で最も歴史があるのは、2018年春に誕生した超軽量折りたたみ傘「pentagon72(ペンタゴン72)」です。気がつけば8年以上、基本設計を変えずに世界中のお客様の日常を支えてきました。

工場の貿易における基軸通貨は米ドルです。2018年当時、為替レートは1ドルあたりおよそ108円でした。しかし現在、そのレートは161円前後となり、約1.5倍の円安水準が続いています。この間に、世界的な原材料費の高騰や現地の最低賃金の上昇といった変化も重なりました。

「一度定めた価格は、安易に変えるべきではない」

その強い想いから、付帯作業やコストを自社で吸収し、これまで価格を据え置いてきました。しかし、現在の円安環境が固定化する中で、100%遮光の生地や頑丈なフレームといった「妥協のない品質」を守り、持続可能なモノづくりを続けていくためには、どうしても価格の改定に踏み切らざるを得なくなりました。

1本の傘を長く愛用する、という心地よさ

大変心苦しいお知らせとなりますが、生産ロットの順に伴い、以下の通り順次価格を改定させていただきます。

私たちの傘は、単なる消耗品ではなく、生活の質を高めるための「道具」です。お気に入りの傘を、使用後に陰干ししてしっかり乾かすといった簡単なメンテナンスをしながら、長く大切に使う。そんな心の豊かさと確かな安心を、これからも変わらぬ品質でお届けすることをお約束いたします。


アンベル株式会社 CEO

執筆者:辻野義宏

30年以上に渡って傘の開発および研究を続けている。革新的な機能を追求し続ける日本の傘ブランド「AMVEL (アンベル) 」では、時代によって変化するベストを追求し、最先端の技術を駆使した傘をお届けしています。