「閉じている時間」のデザイン。平らな折りたたみ傘ベリカルの秘密

世の中の多くのプロダクトには、ある共通のバイオリズムがあります。発売直後に最も注目を集め、そこから緩やかに落ち着いていく。機能やデザインが時間とともに馴染み、陳腐化していくのは自然な流れかもしれません。
しかし、私たちのプロダクトの中に、その法則に抗うように最近になって再び静かな熱を帯びている傘があります。それが「VERYKAL LARGE Flat(ベリカル ラージ フラット)」です。傘の設計者として、この動きはとても興味深く、同時に私たちが信じてきた「設計の意図」が、時間をかけて使い手に伝わった結果ではないかと嬉しく思っています。
傘の本質は「開いていないとき」にある
私たちが傘を設計するとき、どうしても開いた瞬間の美しさや、雨を遮る面積に目を奪われがちです。しかし、冷静に日常を振り返ってみてください。傘は開いている時間よりも、閉じている時間の方が圧倒的に長いのです。
VERYKAL LARGE Flat の開発は、まさにその「閉じている時間」をいかに快適にするか、という課題から始まりました。
自動開閉のラージサイズでありながら、軽量で強靭、そして錆びにくいという特性を持つカーボンファイバー製の親骨です。
軽量で強靭、そして錆びにくいという特性を持つこの素材をベースに、私たちはフレームの構造をあえて「扁平(フラット)」に変形させまBBした。丸い傘をあえて平らに畳む。この設計こそが、この傘の最大のアイデンティティです。
鞄の隙間に滑り込む、都市のガジェットとして
商品の写真だけでは、このフラット形状の本当のメリットは伝わりにくいかもしれません。ですが、実際に手にして日常に組み込んだとき、その意味が腑に落ちます。
ビジネスバッグの薄いマチ、お気に入りのサコッシュ、あるいはリュックのサイドポケット。従来の丸い折りたたみ傘ではポコッと膨らんでしまっていたスペースに、この傘は驚くほどスマートに収まります。収まりが良いということは、持ち歩くストレスが限りなくゼロに近づくということです。
特に都心部で電車通勤をされている方にとって、荷物の体積を減らすことは快適さに直結します。私たちはこの傘を、単なる雨具ではなく、毎日の移動を最適化する「ガジェット」のような存在として捉えています。
雨が降るか分からない日でも、迷わず鞄の隙間に忍ばせられる。その安心感が、結果として使う人のフットワークを軽くし、日常の可能性を少しだけ広げてくれるはずです。じわじわと支持を広げているこの平らな傘が、あなたの都市生活に心地よいゆとりをもたらすことを願っています。
