
「壊れにくい」だけじゃない。「裏返らない*¹」、折りたたみ傘の「本当の強さ」。
街で傘を差して歩く人々を観察する中で、私はずっと強い違和感を抱いていました。
風にあおられて傘が不意に裏返り、不格好に慌てて直している姿。雨の日も、日差しの下でも、風が吹くたびに「いつ裏返るか」とストレスと格闘している光景です。
「折りたたみ傘にとって、本当の強さとは何なのか?」 傘クリエイターとして、私は改めてこの根源的な問いに向き合いました。
実は、従来の「耐風傘」の多くは、あえて裏返ることで風を逃がす構造です。しかし、使う人が本当に求めているのは、風に煽られても佇まいを崩さず、身体も荷物もスマートに守り抜く確かな安心感のはず。
そこで私が挑戦したのが、風圧を逆利用して骨の反り返りを抑える独自構造「TOUGHNESS ANTI-FLIP」でした。試行錯誤の末、指定の試験条件において「裏返らない」確かな強度を確立したのです。
本体重量は、あえて選んだ「約350g」。 これまで私が追求してきた「世界最軽量クラスの軽さ」とは真逆の重量感です。
しかし、これは軽量化を諦めたのではありません。過酷なビル風を受け止め、手元にブレない安心感を生むために計算し尽くされた「意図された重さ」なのです。しっかりと握れる太めのハンドルと相まって、頼もしい安定感をもたらします。
最後にお伝えしたいことがあります。 風圧を受け止め、裏返りを抑える構造だからこそ、傘には大きな負荷がかかります。風速30m/sクラスの耐風性を備えてはいますが、台風のようなあまりに危険な暴風の日は、無理をせず傘を閉じてください。皆さまの安全と、お気に入りの一本を長く大切に使っていただきたいという私自身の願いを込めた仕様です。
私が目指したのは、単に頑丈なだけのギアではありません。 都市の過酷な悪天候にスタイルを乱されることなく、常に自分のペースでスマートに歩み続けられる―そんな「本当の快適さ」をお届けします。
株式会社アンベル 代表取締役 / 傘クリエイター 辻野 義宏
*¹ 設置角105度で風速15m/sの公的機関試験において