たたむストレスをほどく。2WAY構造と全長のあいだで考えたこと
「畳みにくさ」の正体と、2段シャフトを選択した理由
企画当初、この傘の生産数はごくわずかに絞っていました。長傘のようにも折りたたみ傘のようにも使える「2WAY構造」自体は、古くから存在する仕組みです。しかし、構造上シャフト(中棒)が2段構造になるため、一般的な3段折りの折りたたみ傘に比べて収納時の全長が約34cmと長くなります。小さめのバッグには収まりにくく、万人受けするものではないと考えていたからです。
しかし、モード誌『SPUR』に掲載後は予想を大きく上回るスピードでの完売でした。再入荷を迎えた今、設計者として改めて気づかされたのは、収納時のコンパクトさ以上に「傘をたたむ」という日常の動作が都市の移動において負担になっていたという事実でした。
「長いままたためる」利便性が、都市の歩みを止めない
現代の折りたたみ傘は、閉じると骨が連動して折れる便利な仕組みが主流です。しかし、きれいに収納するためには折り目に沿って生地をきちんとなぞり、手で整えなければなりません。雨の日に手が濡れるその作業自体が、移動のテンポを乱す要因になっていました。
本製品の最大の特徴は「長いままたためる」点にあります。商業施設や電車に入る際、シャフトを伸ばしたまま長傘のように生地だけをサッと束ねることができます。内側と外側の2箇所にネームバンドを備えているため、長傘用の傘袋や傘立てにもそのままスムーズに納まります。バッグにしまいたい時だけ骨を折りたたむ。この2通りの使い分けが、移動の歩みを一度も止めません。
100%遮光と高耐水性がもたらす、全天候への安心感
フレームには軽量性と風速15m/sに耐える強靭さを両立する「7本骨」を採用し、約210gという軽さを維持しながら確かな剛性を実現しました。
生地には、ポリウレタンコーティングにアルミ微粒子を配合した「HEATBLOCK Aluminum Silver」を採用しています。100%遮光とUPF50+の性能、そして高い遮熱効果を備え、強烈な日差しを物理的に跳ね返します。
さらに、耐水度は一般的な雨傘の基準を遥かに上回る14,940mm以上を誇ります。猛暑の日差しも、突然の激しい雨も、これ一本で軽やかに乗り越えられる晴雨兼用仕様です。たたむ手間をひとつ減らすだけで、街を歩く日常は驚くほど快適になります。





