商品開発STORY | VERYKAL Flat

自動開閉折りたたみ傘「VERYKAL」の発売後、多くの方にご愛用いただく中で、「よりカバンに入れやすいフラット形状(薄型)にならないか」というご要望をいただくようになりました。

傘の形状を丸から長方形に変えるだけ、と思われるかもしれません。しかし、自動開閉傘をフラット化することには、技術的に非常に大きな壁がありました。

通常の丸い傘とは異なり、フラット型の傘は骨が左右に3本ずつ分かれて収納されます。そのため、傘を開閉する際に親骨の挙動が不安定になりやすいという特性があります。手開き傘であれば、使う人が様子を見ながらゆっくりと開閉することで解決できますが、自動開閉傘は内蔵されたバネの勢いで一気に開くため、動きをゆっくり制御することができません。

勢いよく開閉する際、どうしても骨と生地が絡まってしまうことがあり、それが原因で骨が折れてしまうリスクを抱えていました。そこで私たちは、骨の素材選びをゼロから見直しました。

ベースとなったVERYKALでは軽さを追求してカーボンを多用していましたが、カーボンは弾力性が高い一方で「固さ」があります。そこで今回のフラット型では、中親骨にはカーボンを残しつつ、最も変形しやすい「先親骨」にあえてGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を採用しました。

GFRPはカーボンに比べるとわずかに重量が増してしまいますが、非常に優れた柔軟性を持っています。この柔軟性があるからこそ、開閉時に万が一骨と生地が絡まっても、しなって衝撃を逃がし、骨折れを防ぐことが可能になりました。

結果として、重量はVERYKALの164gよりもやや重くなりました。しかし、その引き換えとして、薄型バッグの隙間にストレスなく収まる「フラット形状」という明確なメリットを形にすることができました。毎日の持ち歩きやすさを最優先に考えた、もう一つのVERYKALの選択です。

VERYKAL Flat(ベリカルフラット)

アンベル株式会社 CEO

執筆者:辻野義宏

30年以上に渡って傘の開発および研究を続けている。革新的な機能を追求し続ける日本の傘ブランド「AMVEL (アンベル) 」では、時代によって変化するベストを追求し、最先端の技術を駆使した傘をお届けしています。