商品開発STORY | 3M Reflective Material シリーズ

夜間の視認性を劇的に変える、生地全面に施された「浮かび上がる光」の正体

傘をさす夜道、ドライバーからあなたは見えていますか?

雨の日の夜、ドライバーの視点から歩行者がどれほど見えにくいかをご存知でしょうか。激しい雨音とフロントガラスを叩く水滴、そして対向車のヘッドライト。悪条件下では、歩行者の存在は想像以上に希薄になります。

特に、傘をさしているときは周囲の音が遮られ、視界も狭まります。これまでの傘は「濡れないこと」には心血を注いできましたが、周囲に自分の存在を知らせる「視認性」については、どこか置き去りにされてきたように感じていました。もちろん、傘一本で交通事故を完全に防げるわけではありませんし、過信は禁物です。しかし、ドライバーがいち早く歩行者の存在を認識できる「きっかけ」を作ること。それが、傘のスペシャリストとしての私の使命だと考えました。

生地の全面を「光」で覆うという発想

開発の過程で私がこだわったのは、反射材の「質」と「表現方法」です。よくある反射テープを縁に巻くだけでは、デザイン性を損なうだけでなく、傘を差す角度によって反射効率が落ちてしまいます。

そこで私たちが採用したのが、世界の交通安全を支える3M™社の反射技術です。この素材は、車のヘッドライトなどの光を、光源に向かって真っ直ぐに跳ね返す「再帰反射」の性能が極めて高いのが特徴です。

試行錯誤の末、生地の全面にこの3M™反射材をプリントしました。夜間の暗闇の中でライトが当たると、傘のシルエットそのものが「浮かび上がる光」となります。ミリ単位でプリントの密度を調整し、昼間は都会的なチャコールグレーのデザインとして馴染み、夜は周囲からの視認性を高める、機能と美しさが共存するバランスを追求しました。

軽さと強さを両立する、アンベルの「骨格」

どれだけ機能的でも、重くて使いにくければ意味がありません。今回のシリーズでは、私たちの代名詞でもある「VERYKAL(ベリカル)」の構造をベースに、3つの異なるバリエーションを用意しました。

傘の骨には、航空機にも使われる軽量で高強度なカーボンファイバーを惜しみなく投入しています。自動開閉モデルでありながら、持っていることを忘れるほどの軽さを実現しました。

これらの骨構造と、3M™リフレクターを全面にプリントした高密度ポリエステル生地を組み合わせることで、スペックを重視するガジェット好きの方にも納得いただける「究極の道具」が完成したのです。

夜の雨道を歩く、すべての人へ

傘は、ただ雨を凌ぐための消耗品ではありません。あなたの存在を周囲に示し、夜間の歩行を少しでもサポートするためのデバイスであってほしいと考えています。

この傘をさして歩くとき、ドライバーが少しでも早くあなたの存在に気づく。その「視認性の向上」が、夜道の歩き方や意識を変える一助になれば幸いです。交通事故を完全に防ぐ保証はできませんが、技術の力でリスクを減らす努力を続ける。この1本には、そんな開発者としての想いが込められています。

アンベル株式会社 CEO

執筆者:辻野義宏

30年以上に渡って傘の開発および研究を続けている。革新的な機能を追求し続ける日本の傘ブランド「AMVEL (アンベル) 」では、時代によって変化するベストを追求し、最先端の技術を駆使した傘をお届けしています。