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買い物を続けるバッグやアウトドア用品で見かける「CORDURA®」タグ。
「普通のナイロンとどう違うの?」「価格が高いのは本当に妥当?」と気になったことはありませんか?
コーデュラナイロンは通常のナイロンの約7倍の強度を誇るプレミアム素材。軍事規格で採用されるほどの信頼性があり、近年では日傘や折りたたみ傘の生地にも使われています。
ただし、強い素材にも弱点はあります。紫外線や熱による劣化、そして「加水分解」という経年変化…。
本記事では、コーデュラナイロンの魅力と弱点、寿命を延ばす手入れ方法、他素材との比較、そして傘への応用事例まで徹底解説します。
コーデュラは1967年にデュポン社で開発され、現在はインビスタ社が管理する高機能生地ブランドです。
CORDURA® Fabricを名乗れるのは、特殊ナイロン66糸(T420)を使用し、認定工場で製造された生地だけ。さらに摩耗・引裂き強度などの試験をクリアしたものだけが市場に出るという徹底ぶりです。
この厳格な品質保証こそが、コーデュラの価値であり、軍用品や登山用ギアで信頼されてきた理由です。
「ナイロンの7倍の強度」という表現は、特定試験での比較値であり、万能ではありません。
しかし事実として、合成繊維の中でもトップクラスの耐摩耗性・引裂強度を誇ります。
PU(ポリウレタン)コーティングと高密度の織りで水を弾きます。小雨や短時間なら安心ですが、防水ではない点には注意が必要です。
頑丈なのに軽い──500Dのコーデュラは、日常バッグやアパレルに最適な「軽量でタフ」な生地です。
強靭なコーデュラにも弱点があります。
完全防水ではない:豪雨や長時間の浸水には弱い
紫外線による退色:濃色ほど色あせやすい
熱に弱い:高温車内放置は劣化を招く
加水分解:PUコーティングが水分と化学反応を起こし、ベタつきや剥離を発生
洗濯機は避け、ブラッシングや拭き取りで汚れを落とす
高温多湿を避け、陰干しで保管
撥水性が落ちたらフッ素系防水スプレーで補強
正しい手入れで寿命は格段に伸びます。
代表的なラインナップは以下の通りです。
Classic Nylon:汎用的でバランスの取れた定番
Ballistic Nylon:1680Dなど厚手で超高強度(2×2バスケット織り)
EcoMade:リサイクル素材を活用
Cordura HP(ポリエステル版):軽量・速乾・コスト優位
「コーデュラ=ナイロン」だけでなく、ポリエステル版も存在します。アパレルや軽量ギアでは特に活用されています。
特性 | コーデュラナイロン | バリスティックナイロン | 通常ナイロン | ポリエステル |
---|---|---|---|---|
耐摩耗性 | ◎ 圧倒的に強い | ◎ 強い(重い) | ○ | △ |
撥水性 | ○ PU依存 | ○ | △ | ○ |
重さ | ○ 軽量 | × 重い | ○ | ◎ 最軽量 |
耐熱性 | △ 約140℃で軟化 | △ | △ | ○ 150℃以上 |
紫外線耐性 | △ 退色あり | △ | △ | ◎ 強い |
価格 | 高い | 高い | 中 | 安い |
→ コーデュラは特に耐摩耗性において突出しており、「高価格=高価値」を裏付けています。
近年では傘にも応用されています。
AMVELはインビスタ社と公式パートナーシップを結び、傘専用のコーデュラ生地を共同開発しました。
HEATBLOCK CORDURA® Fabricシリーズは:
「重くてタフ」なイメージを覆し、軽量・スマートで高機能な傘を実現しました。
HEATBLOCK CORDURA® Fabricシリーズを詳しく見る
コーデュラナイロンは、
7倍の強度に裏付けられた耐久性
適切なケアで長寿命を保てる特性
軍事規格や厳格な試験で支えられた信頼性
を持つ素材です。
価格はやや高めですが、その分「すぐに買い替えなくてもいい安心感」があります。
バッグやウェア、そして傘に至るまで──コーデュラナイロンは“毎日を支える確かな相棒” といえるでしょう。
HEATBLOCK CORDURA® Fabricシリーズを詳しく見る
アンブレラ・ジャーナル | UMBRELLA JOURNAL
執筆者:辻野義宏(つじのよしひろ)
アンベル株式会社 CEO。30年以上に渡って傘の開発および研究を続けている。革新的な機能を追求し続ける日本の傘ブランド「AMVEL (アンベル) 」では、時代によって変化するベストを追求し、最先端の技術を駆使した傘をお届けしています。