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買い物を続ける日差しが厳しくなるこれからの季節、少しでも涼しく過ごしたいという皆さんの気持ち、よくわかります。「遮熱」という言葉に注目が集まっていますね。
「遮熱」と聞くと、「この日傘を使えば絶対に涼しい!」と期待するかもしれませんが、実はその効果は生地の厚み、色、そして加工によって大きく変わるのが実情です。さらに、生地単体の検査で遮熱率が35%以上あれば「遮熱効果あり」とされ、中には55%以上の高い遮熱率を誇る商品もあります。
最近、私たちAMVEL UMBRELLA STOREへのお問い合わせでも、「少しでも遮熱率が高い日傘を探している」というお客様が増えているように感じます。しかし、作り手として実感するのは、遮熱率35%の日傘も55%の日傘も、35度を超えるような猛暑日になると、体感する暑さの差はあまり感じられないということです。
では、一体どうすれば日傘の遮熱効果を最大限に引き出し、より快適に過ごせるのでしょうか?
遮熱の原理は、車のボディの色をイメージすると分かりやすいかもしれません。
真夏の炎天下に駐車された黒い車と白い車、どちらの車内が早く暑くなるでしょうか?ほとんどの人が黒い車だと答えるはずです。これは、黒が熱をため込みやすく、白が熱を反射しやすいという性質によるものです。
日傘の生地もこれと同じ原理です。一般的に、白やシルバーなどの明るい色は熱を反射しやすいため遮熱率が高く、黒っぽい色は熱を吸収しやすいため遮熱率が低いとされています。
この話を聞くと、「じゃあ、黒い日傘はダメなの?」と思うかもしれませんね。しかし、ご安心ください。日傘の「使い方」を工夫すれば、お気に入りの色の傘でも十分に涼しさを感じることができます。
生地の色による遮熱率の差は確かに存在します。しかし、それ以上に大切なのは、日傘とあなたの間に適切な「空間」を確保することです。
日焼けから顔を守ろうと日傘を深く被る方もいるかもしれません。しかし、遮熱という面に注目すると、傘が頭に密着していると、傘の表面で温められた空気がこもってしまい、かえって熱を体に伝えてしまうことがあります。体温が上がると、熱中症のリスクだけでなく、肌の調子にも影響を与えると言われています。
理想的なのは、傘と頭の間に15〜20cm程度の十分な間隔をあけることです。これにより、傘の下に空気の層が生まれ、熱が直接頭に伝わりにくくなります。結果的に体温の上昇を抑え、お肌を守ることにも繋がります。
日傘は頭上からの日差しを防ぐのが得意ですが、地面からの照り返しや、横からの日差しを防ぐことはできません。 そこで効果的なのが、帽子との併用です。帽子をかぶることで、日傘ではカバーしきれない部分からの日差しや、傘の下で吸収された熱が直接頭に伝わるのを防ぎ、さらに高い遮熱効果が期待できます。 また、アームカバーやUVカット機能のある上着を着用することで、腕や体全体への熱ダメージも軽減できます。
確かに、白やシルバーの生地は遮熱率が高い傾向にあります。しかし、猛暑日においては、その数値の差が体感に大きく影響しないこともあります。
何よりも大切なのは、毎日持ち歩きたくなる、お気に入りの日傘を見つけることです。お気に入りの色やデザインの日傘なら、積極的に使うようになり、結果として紫外線対策や熱中症対策に繋がります。
ぜひあなたが「これだ!」と思う一本を探してみてください。そして、今回ご紹介した「傘と頭の間の空間」を意識した使い方、そして帽子との併用を試して、この夏を快適に過ごしましょう!
アンブレラジャーナル執筆者:辻野義宏
アンベル株式会社 CEO。30年以上に渡って傘の開発および研究を続けている。革新的な機能を追求し続ける日本の傘ブランド「AMVEL (アンベル) 」では、時代によって変化するベストを追求し、最先端の技術を駆使した傘をお届けしています。