雨の日のお出かけで、ストレスに感じることはありませんか?

「傘をたたむ時に手が濡れてしまう」 「電車やお店に入る時、傘から水滴が垂れて周りに気を使う」 「濡れた傘をバッグに入れるのがためらわれる」

こうした雨の日特有の小さなイライラは、傘の「水切れの悪さ」が原因の一つと考えられます。

私たちアンベルは、そんな雨の日の不快感を軽減し、より快適に過ごしていただくために、独自の撥水加工「Easy-Dry (イージードライ)」を開発しました。

この記事では、傘の専門家として、Easy-Dryがどのように雨の日を快適にするのか、またその性能や持続性について、仕組みを交えて解説します。

 

Easy-Dryが目指す3つの快適性

 

Easy-Dryは、単に「水を弾く」ことだけを目指したものではありません。雨の日のあらゆるシーンを想定し、快適さを追求した撥水加工です。主な特徴は3つあります。

 

1. 優れた初期撥水性と速乾性

 

Easy-Dryの大きな特長は、その「水切れの良さ」です。

生地全体に強力な撥水加工を施しているため、雨粒が生地に触れると水玉となって転がり落ちやすくなっています。

そのため、雨に濡れた後でも、傘を軽く2〜3回振るだけで、水滴の多くを振り落とすことが可能です。

これにより、屋内に入る際もスマートに対応しやすく、速乾性にも優れているため、濡れた傘をバッグに入れる際の不快感も軽減されます。

 

2. 撥水効果の持続性(耐久性)

 

「買ったばかりの頃は水を弾いたのに、すぐに効果が落ちてしまった」という経験はありませんか?

Easy-Dryは、その撥水性能が長持ちすることも目指しています。撥水剤の耐久性を測る厳しい洗濯テストをクリアしており、高い持続性が確認されています。

ただし、この持続性は絶対的なものではありません。 撥水加工は、摩擦や汚れ、特に「手の皮脂」が付着することによって性能が低下しやすい性質があります。

傘をたたむ際などに、なるべく生地表面に触れないようにすることが、撥水効果を長持ちさせる大切なコツです。

 

3. 人と環境に配慮した設計

 

毎日使うものだからこそ、安全性にも配慮しました。

Easy-Dryに使用されている撥水剤は、(一部の製品生地を除き※)人体や環境への影響が懸念されている化学物質「PFOA(ペルフルオロオクタン酸)」を含まない「PFOAフリー」の仕様を採用しています。

雨の日を快適にするだけでなく、使う人にも、そして地球環境にも配慮すること。それがEasy-Dryの設計思想です。

(※採用する生地や製造時期により仕様が異なる場合があります。詳細は各製品ページをご確認ください。)

 

撥水性能を裏付ける「仕組み」と「数値」

 

Easy-Dryの性能は、どのようにして実現されているのでしょうか。その理由は、生地の構造と客観的な試験結果にあります。

 

撥水効果を生むメカニズム

 

Easy-Dryの性能は、撥水剤単体の力だけではありません。

  • 生地の高密度さ

  • 生地裏面のPUコーティング

  • 高性能な撥水剤

これら複数の要素が組み合わさり、繊維の奥深くまで撥水効果が浸透することで、高い撥水性と耐久性を目指しています。

例えば、当社の遮光傘「HEATBLOCK®」生地では、「生地層」「遮光層」「PUコーティング」の3層構造が、撥水・耐水・軽量・強度といった多様な機能を高い次元でバランスさせています。

 

第三者機関による撥水度試験結果

 

Easy-Dryの性能は、客観的な数値によっても裏付けられています。

撥水性の試験は「AATCC22法(スプレーテスト)」に基づき、第三者機関にて実施されています。この試験は、生地に水を噴霧し、その濡れ具合や水滴の付着状態によって撥水性を0点〜100点(最高)で評価するものです。

【主な製品の試験結果】

  • 初期撥水度

    • 100点(満点):KALCT、Smooth Automatic、pentagon67 など

    • 90点:HEATBLOCK生地、TOUGHNESS生地

  • 洗濯20回後の撥水度(持続性)

    • 100点(満点):pentagon67

    • 90点:KALCT、Smooth Automatic

    • 85点:HEATBLOCK生地、TOUGHNESS生地

多くの製品で高い初期撥水度を達成し、洗濯20回後という過酷な条件下でも高いレベルを維持していることが分かります。

このように試験結果に差が生まれるのは、撥水剤そのものの性能だけでなく、組み合わせる生地の密度や素材、そして生産時の加工順序といった様々な要因が複合的に影響し合うためです。私たちは生地の特性ごとに最適な加工を施し、高い撥水性能を引き出すよう努めています。

注記:これらの数値はAATCC22法に基づき第三者機関で実施した試験結果です。実際の撥水効果は、ご使用状況やお手入れの方法によって異なります。

 

まとめ:Easy-Dryで雨の日をスマートに

 

今回は、アンベル独自の撥水加工「Easy-Dry」について解説しました。

Easy-Dry加工は、

  • 軽く振るだけで水滴が落ちやすい「速乾性」

  • 効果が長く続く「持続性」(ただし皮脂や摩擦には注意が必要)

  • PFOAフリー(一部除く)という「環境配慮」

これらを兼ね備え、雨の日を快適にすることを目指した撥水技術です。

Easy-Dryが施された傘を選ぶことは、雨の日の持ち運びや、屋内外への移動のストレスを軽減し、より快適でスマートな毎日を手に入れる第一歩です。ぜひ、その水切れの良さを体感してみてください。


アンブレラ・ジャーナル | THE UMBRELLA JOURNAL 執筆者:辻野義宏(つじのよしひろ) アンベル株式会社 CEO。30年以上に渡って傘の開発および研究を続けている。革新的な機能を追求し続ける日本の傘ブランド「AMVEL (アンベル) 」では、時代によって変化するベストを追求し、最先端の技術を駆使した傘をお届けしています。