その「100%遮光」、縫い目から光が漏れていませんか?

夏の強い日差しから肌を守るため、「100%遮光」と表示された日傘を選ぶ方は非常に多いでしょう。
しかし、その日傘を差してふと空を見上げた時、縫い目からチカチカと星のように光が差し込んできて、「本当に性能通りなのかな?」と疑問に思った経験はないでしょうか。
実は、日傘の本当の実力は、生地の遮光率だけでは決まりません。結論から申し上げると、日傘の遮光性能を最終的に決定づけるのは、生地そのものの性能に加えて「縫製の品質」です。
どんなに優れた生地を使っても、縫製が甘ければそこから光は漏れ、遮熱・遮光効果を十分に発揮できなくなってしまいます。
なぜ「100%遮光生地」でも光が漏れるのか
日傘は、複数の三角形の生地(コマ)を縫い合わせて作られています。問題はこの生地と生地をつなぎ合わせる「縫い目」にあります。
ミシンで生地を縫う際、針が生地を貫通して「針穴」が生まれます。この針穴や、糸と生地のわずかな隙間が、光漏れの主な原因となります。
特に、以下のようなケースでは光が漏れやすくなります。
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針の選定: 生地の厚みに対して針が太すぎると、必要以上に大きな穴が開く。
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糸の品質: 糸が細すぎたり質が低かったりすると、針穴を十分に塞げない。
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運針数: 縫い目の間隔が粗いと隙間が大きくなり、遮光性も耐久性も低下する。
市場には、残念ながら「遮光生地を使っている」という事実だけで、製品全体の品質が伴っていないものも少なくありません。
コストを優先して縫製工程を簡略化すると、生地のスペックを台無しにする「光漏れ傘」になってしまうのです。
細部に宿る、プロのこだわり
私たちのような傘の専門メーカーは、この目に見えない針穴との戦いに多くの時間を割いています。
例えば、生地の特性に合わせてミシン針の太さを0.1ミリ単位で調整し、針穴を最小限に抑えます。また、縫い目の間隔をあえて細かく設定することで、密度を高めて光の侵入を物理的にカットします。
さらに、そもそも針を刺した際に穴が広がりにくい高密度な生地を採用することも、設計思想の重要な一部です。
これからの日傘選びは、遮光率という数値だけでなく「どこのメーカーが、どのような哲学を持って作っているか」という視点が重要になります。
安価な製品やデザイン性だけを強調したものではなく、製品説明に縫製への言及があるか、実績のあるブランドかを確認してみてください。
生地、骨、そして縫製技術。これらすべての要素が高いレベルで融合して初めて、あなたの夏を快適にする「真の100%遮光」が完成するのです。